裸足のクライマー:ベーンド・アルノルド



ドイツとチェコの国境沿いの街、ドレスデンで長年クライミングを行う、裸足のクライマー:ベーンド・アルノルド。 67年間で980以上のルートの初登を達成している。裸足によるフリーソロや、壁面へのボルトやギアを使わずにクラックにタオルを詰め込みロープを固定するなど、自然へと配慮した伝統的なクライミングを行なっている。彼もまた、どこか哲学者、詩人のような佇まいをしている。


何度かクライミングによる事故に遭いました。 しかし、それらの事故の原因は、私のクライミングの技術不足なのではなく、 集中力の欠如によるものだということに気づきました。 クライミングとは、身体的というよりも精神的な側面が強いのです。 


 フリーソロを行っている時、 もし今失敗したなら、即座に死に直面することをよく分かっています。 それは素晴らしいことです。生と死の境界に私は位置している。 それでも、いつも私のなかには「生きる」という強い確信がありました。 

SEELE AUS STEIN - Soul of Stone from Rainier Films on Vimeo.

この確信は素晴らしいものでした。 この境界を歩むことによって「生」というものに気づき、 自分の強さを知ることが出来たのです。 

クライミングをしている時、いつも自分自身に問いかけています。 「今、どんな問題があって、どうそれに応えるべきか」と。 その答えを見つけられないかぎり、私は次の一手を出しません。 

クライミングの素晴らしい点は、自らの限界を一歩超えられた瞬間です。 そういった瞬間は常に、またひとつ、ひとつと繋がっています。 それは、純粋に幸福な時間です。ドラッグのようなものです。 でも、そんな幸福は刹那的なもので、すぐに消えてなくなってしまうのです。。。

 彼は裸足で登る理由をこう語る。
「砂岩の状態を理解し、崩落を事前に察知するのには、 クライミングシューズではなく、裸足の方が適しているのです」