迷子になった石(迷子石・漂石)|クライミング・ボルダリング



みなさん、迷子石(まいごいし)をご存知だろうか?大草原に突然巨石がごろっと、不自然に転がっているというような光景を見たことはないだろうか?その場所の地質とは異なる巨石が不自然に、まるで誰かに置かれたように転がっている。。。

この不思議な光景は世界各地で確認されている。これらの巨石は迷子石、あるいは標石(ひょうせき)と呼ばれ、氷河期に、氷河によってまったく別の場所から押し流され、取り残されていった石/岩たちのことを指す。クライマーのみなさんなら、こんな迷子石を見つけたら「登りたい!」と思われるのではないだろうか。

日本では迷子石を取り上げたブログや記事は希少だが、海外サイトでは色々と調べることが出来る。英語ではGlacial Erraticと呼ばれる。地質学では、これらの石を調べることにより、氷河期の氷河の動きを追跡することが出来るということらしい。


Photo by Coaxial at en.wikipedia


ナショナルジオグラフィック2012年3月号では、この「迷子石」を取り上げた特集が組まれている。グレン・ロックと呼ばれるニュージャージーの住宅街の道路に突如現れる570トンもの巨石。科学者はこの石が32キロ北から氷河で運ばれてきたとしている。しかし、インディアンたちはパマチャプカとなずけ、「天からの石」と信じているらしい。
(上の写真はオコトクスの迷子石)

外岩でクライミングをしていると、植物や貝の化石のついた岩を見ることがある。そこから、はるか昔、太古の時代へと想像を膨らませてゆく。私たちの見たことのないような生物が暮らす世界、あるいは、かつてこの岩場は海の底だったのかもしれない。。。

クライミングは、単にスポーツとしての楽しみだけでなく、その場所の自然を、歴史を読み解くひとつの手がかりにもなる。それはある種の身体を介した地質学なのかもしれない。

あのなかなか届かない指ポケット。それがいったいどれだけ長い時間をかけて形成された穴なのか、それを考えるだけで、クライミングがいかに雄大でロマンに溢れたスポーツなのかを思い出すことが出来る。