外岩クライミング/ボルダリングの7つのコツ

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外岩に通っているうちに、なんとなく気がついた、ジムでのクライミングとの違い、コツをざっと書いておきたいと思います。題して「外岩クライミング/ボルダリングの7つのコツ」。かなり基本的なことですが、外岩でのクライミング/ボルダリングに慣れず、伸び悩んでいる方のご参考になれば嬉しいです。

過去記事

外岩クライミング8つの基本的な心がけ





外岩クライミングは「大いなる自然」そして「己」との戦い。

これは、岩道の精神に通じるところがありますが、外岩でのクライミングは常に己との戦いです。ジムだとみんなでワイワイセッションしながら、たまには競い合って登ったりしますが、外岩のクライミングは少し違うように感じます。というのも、外岩の課題は、誰かが設定したものではなく(初登者はいますが...) 、あくまでも自然が作り出したラインを追うものだからです。いうなれば、クライマーが挑む相手は「大いなる自然」なのです。
「大いなる自然」が鏡となり、「己」との戦いの場を与えてくれるのです。競い合わず、常に自らの限界へと挑みましょう。


いかに腕にかかる力を殺すか。

これは、基本的にはクライミング、ボルダリング全般に言えることですが、特に外岩クライミングで威力を発揮します。というのも、ジムの課題は決められたホールドしか使えませんが、外岩クライミングでは岩の表面全てがホールドになります(限定課題以外)。それらのさまざま表面を使って、いかに腕にかかっている「力を殺す」かが重要になってきます。この「力の殺し方」、実は女性クライマーの方がよく知っていたりします。要するには、「手で登るのではなく、足で登る」ということです。

具体的には、

  • フットホールドをうまく使う。フットホールドは「乗る」ものではなく、「掻きこむ」もの。
  • フックは使えるだけ使う。時にはヒールフックの下からトーフックなど、使えるだけ使って、足で登ります。
  • ニー・バー最強説。ジムでニー・バーを使うことはほどんどありませんが、外岩だと結構頻繁に使えます。このニー・バー(膝と足をバーのように使い、ホールドに挟み込む)、上半身をほぼ使わずに上体を保持できるので、レストに最強です。
  • 腰をぴったりと岩に沿わせる。ムーブに腰を入れて行く。これにより、デッドになり気味なムーブを腰筋でカバーできます。
  • ハイ・フットを意識する。常に、足を高い位置に、高い位置に持っていきます。つま先を岩にこすりつけながら、少しずつ少しづつ高い位置に持ってきます。それによって、難しかったムーブがなぜか突然簡単になったりします。
  • ドロップ・ニーを多用する。外岩に慣れているクライマーは多くの場面でドロップ・ニーを使います。これはニー・バーと同様、上半身にかかる力を軽減してくれます。普通のドロップニーだけでなく、ありえないような向きでのドロップ・ニー(アダム・オンドラのような)でも効いたりします。柔軟性が重要になってきます。
  • スタティック・ムーブを意識する。これは、ジムでのクライミングと大きく違う点です。外岩の場合、常に手探り状態で登ることになります。つかめないホールドを中継して次のホールドに飛ばしたり、乗り切れない足場をすり足で使ったり。ダイナミックなムーブが必要な場面/課題もありますが、外岩においてムーブをスタティックにすることは非常に重要です。そして、それだけの保持力も必要になってきます。体を良い位置まで引き上げ、脇を締めてブロックし、次のムーブに移りましょう。バンっバンっというジムのようなダイナミックムーブがなかなか効かないのが外岩です(ダイナミックな課題ももちろんありますが)。


常に自分のムーブを探すこと

これも、ジムでのクライミングと大きく違う点です。ジムではムーブ/ホールドがほとんど決まってしまっている課題が多いので、その中に他のムーブを見つけ出すことは非常に困難です。しかし、外岩クライミングでは、先に書いたように岩の表面であればどこでも使えます。ハイ・フット、ドロップ・ニー、フックなどいろいろなムーブを自分なりに構成することができます。それによって、課題が劇的に簡単になったりもします。自分のサイズ、スタイルにあった、自分なりのムーブを探しましょう。


細かく、柔らかく登ること

とにかく手も足も、細かく位置を変え、バランスを変え、ムーブを構成していくことを念頭に置いておきましょう。ジムでのクライミングが「ホールドという点で登って行くもの」であると考えるならば、外岩クライミングは「面に線を描くように登って行くもの」です。そして、「固くならないように」。ジムではあんなに綺麗に登っているのに、いざ外岩に行くとがっちり4点で支えちゃって、ムーブがぎこちなくなってしまう人が多いです。確かに、マットが小さいので、緊張しますが、ジムと同じように緩やか、柔らかにムーブを構成しましょう。4点で支えているところを、足一本切って3点にするだけで、物凄くバランスが取れるなんてこともあります。そういう人は、肩に力が入っているので、意識して肩の力を抜いて登りましょう。



心と体のウォームアップをじっくりと

ジムとの大きな違いは、ウォームアップ用のガバホールドで構成された課題がほとんどないということです。そと岩では、じっくりとウォームアップするのが難しいです。意識的ウォームアップ用の岩を探して登ってみましょう。外岩に着くと、テンションが上がってすぐにお目当ての岩を目指してしまいがちですが、いつもジムでやっている以上にウォームアップが必要です。そして、このウォームアップ、体だけではなく、心も外岩に慣らしましょう。何個か簡単な課題を登ると、その岩場の雰囲気や岩質も分かりますし、緊張感が解けて体の使い方が柔らかくなるでしょう。



その岩場に詳しい人と行く

当たり前の話ですが、その岩場に詳しい人が一人いるだけで、様々なことが解決されます。全く知らない岩場に乗り込むと、岩を見つけるだけで何時間も歩きまわるという事態も発生します。そして、課題のムーブやラインがイマイチわからなかったりもします。完登した!と思って家に帰り、YOUTUBEで完登ビデオを見たら、ラインが違ったとか、スタートホールドが一手隣だったなんてことはよくあります。そんな残念な失敗を防ぐためにも、岩場の詳しい人に参加してもらいましょう。


最後は、とにかく集中力と気合

外岩のクライミングは危険に満ちています。とにかく集中し、一つ一つのトライに全力投球する必要があります。そして、その集中力をどうやって養い、コントロールしていくのかが外岩での完登にかかってきます。糖分だったり、カフェインだったり、そう言った外的な要因も必要になってくるかもしれません。



「外岩クライミング/ボルダリングの7つのコツ」を書いてみましたが、言うは易し、行うは難しです。自分の肝に銘じておきます。