これだけは知っておきたい。クライミング・ボルダリングの地質学/岩質。



Photo by Axel Naud

外岩に通うようになると、岩場ごとに全く別の岩質があることにすぐ気づくでしょう。時にはゴツゴツとした荒い岩肌、時にはすべすべとした丸みを帯びた岩肌。その岩質ごとによって、クライミングスタイルも全く別のものになる。そして、シューズだってその岩場ごとに合わせないと、なかなかうまく登れないなんてこともある。ここでは、クライミング・ボルダリングにおける地質学/岩質に関してまとめておきたいと思います。

ちなみに、ボルダリングのボルダー(Boulder)とは大きな岩のこと。基本的に岩壁ではなく、トップアウト出来るような独立した岩のことを指す。




岩石、3つの分類。

まずは基本的なところから。岩石とは、様々な鉱物、砂などの混合物である。その成り立ちには大きく分けて3つのものがある。

火成岩(かせいがん/Igneous Rock)
冷え固まったマグマや溶岩、火山活動によって生成された岩石。

堆積岩(たいせきがん/Sedimentary Rock)
川、海、湖の底や陸上で堆積してたものが固まって生成された岩石。

変成岩(へんせいがん/Metamorphic Rock)
生成された岩石が、熱や圧力によって変成された岩石。



代表的な火成岩



花崗岩(かこうがん/Granite)
マグマが地中深くで固まって生成されたもの。一般的に御影石(みかげいし)と呼ばれ、白っぽい岩肌に黒っぽい斑点(雲母)が見られる。地中で形成されるため、形状としては丸まったものが多いが、岩肌はザラザラと粒子が荒い。フリクションは良いが、指皮の消耗が早い。有名なところではヨセミテ国立公園。





安山岩(あんざんがん/Andesite)
南米アンデス山脈の火山岩にちなんで命名されたため、Andes-iteと呼ばれる。日本では安山(アンデス山)と訳され、安山岩と呼ばれる。地表や地表付近でマグマが急激に冷え固まったもの。花崗岩に比べ、粒子が細かい。比較的フリクションは良い。暗灰色のものから、黒緑色のもの、気孔がたくさんあるものなど、様々な見かけがある。





玄武岩(げんぶがん/Basalt)
上出した火成岩の中で最も黒っぽく、キメの細かい岩石。プレートの隙間などから漏れ出したマグマが、海底、あるいは地上で固まったもの。六角形の柱上節理や、楕円形を積み重ねたような枕上溶岩といった、独特な形状のものが多い。





代表的な堆積岩






凝灰岩(ぎょうかいがん/Tuff)
火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石。白、灰、青、赤と様々な色味のものがある。キメが細かく、比較的柔らかい岩石のため、風化に弱い。そのため、複雑な形状のホールドやポケットを多く生成する。川や海水の流れによって、ルーフ上に侵食されることも多い。




石灰岩(せっかいがん/Limestone)
基本的には白色、あるいは薄い灰色に見える。生物の殻(炭酸カルシウム)が沈殿してできた生物起源説と、炭酸カルシウムが水から沈殿したとする化学的沈殿説の二つがある。古くはピラミッドにも使われ、現代ではセメントに加工されている。岩質としては、かなりツルツルと滑りやすいものが多く、シューズ選びが難しい。鍾乳洞のようなツララやコルネを形成することもある。




チャート(Chert)
二酸化ケイ素の成分を持つ生物の殻が海底に堆積して生成されたもの。赤、緑、灰、黒色など場所によって様々な色を持つ。非常に硬い岩のため、ツルツルでほぼフリクションのないような岩質になる。一方で風化に強く、長く課題が残る。割れ目のエッジが立ちやすく、鋭利になる。また、チャート同士を打ち付けると火花が散るため、火打石としても知られている。鋭利なため、かつては石器によく用いられた。代表的な岩場は御岳など。



 砂岩(さがん/Sandstone)
その名の通り、堆積した砂が固まってできた岩石。見た目もそのまま、サラサラと固い砂のような表面をしおり、層状ををなしているものもある。比較的柔らかい岩石のため、水や風の侵食によって複雑なホールドを形成する。また、雨や霜などの湿度の変化によって脆くなるため、ホールドの欠落などに注意する必要がある。





 礫岩(れきがん/Conglomerate)
小石、砂利などの礫が寄せ固まってできた岩石。小石ほどのかなり大きな粒子を含むため、ゴツゴツとした岩肌となる。粒子が粗い分、脆く、崩れやすい。ポケット状のホールドが多い。



変成岩のクライミング岩場はあまり多く知られていませんが、上出した岩石を基本として変成されたものになります。代表的な変成岩は大理石です。これは石灰岩がマグマの熱を受けて再結晶化したものです。このように、変成岩には固く、ツルツルと変成したものが多いようです。


以上、「これだけは知っておきたい。クライミング・ボルダリングの地質学/岩質」でした。


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