外岩で強いクライマーになるための5つのコツ。




ジムで登っているとそんなに強くないクライマーが外岩ではめちゃくちゃ強かったり、逆にジムでは強いのに外岩では全然登れないクライマーがいます。この二人の差は一体なんなんでしょうか?外岩週二日以上、最高グレード三段の岩道がとっておきのコツをお伝えします。



《1つ目のコツ》足の置き方。

これは、ジムで登っているとそんなにシビアに差が出ませんが、外岩の極小ホールドで登っていると差が明確に出てきます。

「そこのあなた、つま先で登っていませんか?」

外岩で登る時に必要になってくる足の使い方は「掻き込み」です。確かにつま先ではあるのですが、つま先の先端を使うわけではありません。もう少し親指の腹から付け根にかけたあたりで、ググッとホールドを掻き込み、乗り込んでいきます。

これは、スラブなどを登る時も同じです。つま先の先端でホールドを掻き込もうとしてもすぐに滑ってしまいます。親指の腹のあたりでベタッと踏み込み、スメアさせることでクライミングシューズのフリクション力を存分に発揮して登ることができます。

ジムに慣れていると、「え?足をべたっと置くの?」と思われるかもしれませんが、外岩の極小ホールドはソールラバーでべたっと包み込むことによって乗り込むことができます。これをジムのプラスチックホールドでやると、結構ズルッと滑ってしまいます。



《2つ目のコツ》カチ持ちには持てる場所がある。

ジムのホールドなんて大体均一に薄く作ってあるので、どこでカチ持ちしても持ててしまいます。

「ホールドを持つカチ持ちする→次のムーブへ」というのが一般的ではないでしょうか?

しかし、外岩では信じられないような極小カチホールドが出てきます。そして、薄さがバラバラのため、持てる位置が限られてきています。

「人差し指と中指が少し厚めのところにかかると力が入れやすいな」とか「このカチは親指もホールドさせた方が良いな」とか「これはほとんど一本指のカチだな」とか持てる位置をしっかりと探っていくことが必要です。
そのため外岩では、


「ホールドを持つ→しっかり持てる位置を探る→カチ持ちをする→次のムーブへ」となります。


要するには、外岩ではホールドの持ち方、足の置き方がより繊細になってくるのです。力だけでは登れないのです。








《3つ目のコツ》手数ではなく、足数を考える。


これもジムでのクライミングとは違う点です。ジムの課題の多くは手数も足数もほとんど同じくらいのものが多いのではないでしょうか?1手出すのに足を1〜2回動かすというのが普通だと思います。

しかし、外岩では足数の方が手数に比べて3倍くらい必要です。

一手取るのに足を2回動かし、マッチするのに足を2回動かし、次のムーブに入るのに足を2回動かす。というように、とにかく少しの足移動でムーブが組み立てられるか、次のムーブに行けるかが変わってきます。

ホールドの右を踏んでいたものを5mm上の頂点に変えたり、インサイドからアウトサイドに踏み変えたり、2センチずつ足を上げてくるなんてことは年がら年中です。

とにかく、手のホールドの事ばかり考えるのではなく、足の置き方、移動の仕方に細心の注意を払いましょう。




《4つ目のコツ》課題と岩室にあった靴選び、ソール選び。


ジムだと靴なんて硬いか柔らかいかぐらいの差だと思うのですが、外岩だとその差がさらに大きな差を呼びます。それは、ジムであれば「硬いプラスチックのホールド」というほとんど同じ素材のホールドしか使用されていないのに対し、外岩では「花崗岩の結晶の立った岩質」とか「砂岩、堆積岩のスムースな表面」「川石のさらっとした、しかしエッジのたったホールド」など、とにかくホールドの質感が多彩なのです。いうなれば、フランスパン、コッペパン、メロンパンを素手で持った時と同じくらいの差があるのです!(わかりづらい!)

そんなに質の差があるホールドに、たった一足の靴、ソールラバーで挑もうとすると、どんな強いクライマーでも登れません。。。たぶん。

それぞれの岩質、岩場にあった靴を選ぶのが重要です。
例えば、スポルティバに使用されているビブラムというソールラバーは少し硬めですが、花崗岩の結晶にたったり、スメアするのにとても効果的です。一方で、ファイブテンに採用されているステルスは、柔らかめで、砂岩などに持ってこいな気がします。ステルスで花崗岩も足裏感覚があって良いでのすが、消耗がすごいです。この辺りはそれぞれの人の感覚なので、とにかく経験値を踏むことが重要です。

外岩には方向性の違ったシューズを最低でも2足は持って行きましょう。ファイブテンだとできなかったムーブがスポルティバだと出来たとか、その逆もよくあります。



《5つ目のコツ》そのヒールフック、本当にかかってますか?



ジムであればヒールフックに問題ないのに、外岩だと全然上手くかけられないという人がいます。正直、かけている本人には分かりずらいようなのですが、見ている側としてはヒールがかかっているかどうかはすぐにわかります。

「ヒールフックをかける時、かかとに力を入れていませんか?」

これは、初心者のみならず、上級者でも癖になると戻らない悪いヒールフックで、注意が必要です。ヒールフックをかける時にかかとに力が入っているフックは、多くの場合、しっかりとかかっていません。あるいは、一見かかっていても、外岩では機能しません。岩道自身、この癖から逃れるのに随分と苦労しました。

かかとに力が入っていると、つま先がスネに向かって反り返ってくると思います。要するに、足の裏がまっすぐに伸び、かかとが90度くらいの角度でホールドにかかっています。かかとのある一点、角でフックがかかっているといったイメージでしょうか?これが悪いヒールフックの感覚です。シューズのラバーの出っ張りで引っ掛けているなんて人もいます。





良いヒールフックは、外から見ていてすぐにわかります。
まず、ヒールフックをかける時に「つま先」に力が入っています。つま先に力が入ると、指がググッと丸まり、それにつられて足の裏が内側に丸まります。この、弓状にヒールがかかっているヒールフックが良いヒールフックで、外岩でもしっかりと機能します。

かかとの一点で掛かっているというよりは、かかと全体で掻き込んでいるようなイメージです。「ヒールフックは引っ掛けるのではなく、掻き込むのです」この感覚に注意して、しっかりとつま先に力を入れてください。そうすれば、外岩でもしっかりとヒールが機能するでしょう。



以上、外岩で強いクライマーになるための5つのコツ。をお伝えしました。
ようするには、外岩のクライミングはジムよりも「より繊細にする必要がある」ということです。力でガシガシと登っているとこの壁にどこかでぶち当たるでしょう。「繊細に、繊細に」と心の中で繰り返しながら登りましょう。