クライマーに柔軟性は本当に必要なのか?




「クライミングでは力よりも柔軟性が重要」というフレーズを聞いたことがある方も多いのでは?「え、でも本当にクライミングに柔軟性って必要なの?」と疑問に思われる方も多いかもしれません。では、そんな疑問にお答えしましょう。





結論:「柔軟性は絶対必要です!!」早!


では、どうして柔軟が必要なのか、そしてどんな柔軟性が必要なのか見ていきましょう。



1)柔軟性が必要な理由

クライミングをしていると、どうしても腕の力に頼って登ってしまうことがあります。パワームーブで解決できれば良いのですが、どうしても力では登れない課題も出てきます。そんな時重要なのが、バランス感覚や体幹、柔軟性です。これらを利用することにより、腕にかかる負担を軽減し、他の筋肉を使うことができます。


他の筋肉というのが、人間の筋肉で最も大きいと言われる「足の筋肉」と「肩と背中の筋肉」です。

腕の筋肉なんて、「足の筋肉」と「肩と背中の筋肉」に比べたらお子ちゃまレベルです。
この大きな筋肉、すでにあなたの体に備わっている筋肉をより効率的に使用するために柔軟性が必要になってくるのです。



2)では、どんな柔軟性が必要なのか


多くの人が柔軟性というと「立った状態で床に手が届くかどうか」で決めてしまうと思います。ようするに、前屈ですね。しかし、実際にはこの前屈の柔らかさがクライミングで必要になる場面はそうそうありません。


クライミングで最も重要な柔軟性は「股関節」と「肩周り」です。


「股関節」の柔軟性は、足に体重を預けたり、無理な体勢でのキョンを可能にします。また股関節が柔らかいと、スラブでの乗り込みにも有利です。あぐらを書いて、両足の裏を合わせ、膝を床につけられますか?そこからさらに、自分のおでこを足裏につけられますか?こんな股関節の柔軟性が必要になってきます。

また、股割りのような股関節の柔軟性も必要です。あぐらの方はできるけど、股割りは出来ないという人も多いのではないでしょうか?それは、股関節の可動域が狭いためです。ある方向には柔らかいけど、ある方向には開かない。そんな人、ぜひ、どちらも出来るように頑張ってみましょう。

これは、人間の体の構造上、誰でも出来るはずのことです。股関節の硬い人は、単にその部分を使っていないだけなのです。長いこと使っていない蝶番が錆び付いてしまうように...ゆっくりと油を注ぎながら、徐々に慣らしてゆきましょう。お風呂上がり、クライミング後など、体全体が柔らかくなっている時に伸ばすのが効率的です。



そして、もう一つ重要な柔軟性が「肩周り」です。
これは、以前にも書きましたが、多くの有能なクライマーは「いかに腕で登らず、肩+背筋で登るか?」ということを考えています。腕の筋肉なんてたかが知れていますが、背筋は非常に大きな筋肉です。うまくここの筋肉を動かすことによって、パフォーマンスを高めます。「すごい強いクライマーなのに、あんまり腕が太くないな」なんて思ったことはありませんか?そう、そういう人たちは背筋が発達しているのです。


ただ背筋に筋力をつけていると、徐々に肩が硬くなってきてしまいます。それは、肩甲骨の可動域に筋肉がひっつき、動きを悪くしてしまうためです。昨今人気の「筋膜剥がし」なんてのは、この硬く骨にまとわりついた筋膜を剥がすためのものです。


そこで、クライマーにオススメなのが立肩トレーニングです。四つん這いになった状態で、徐々に肩に体重を預けてゆき、肩甲骨を立ち上げるトレーニングです。これを定期的(トレーニングの前後)に行うことにより、筋肉がついても肩周辺の柔軟性をキープすることができます。この立肩トレーニング、ちょっとコツが要ります。そして、立肩できているかどうかはナカナカ一人では分かりません。誰かにみてもらいながら感覚を掴んでゆくのが良いでしょう。


立肩トレーニングに関しては、過去記事を参考に。

グレードの限界を突破する「立甲」とは!?



そして、柔軟性は落下した時の衝撃からあなたの体を守ってくれます。怪我の予防にもなりますよ。


腕ではなく、足と背筋で登るクライマーを目指しましょう!